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あまかけるの巣

今はうんちでも化石になるから。

ビビり倒して汗だくだく【ホーチミン滞在0,1日目】

 羽田空港に集合、飛行機に乗ること6時間。LCCの最低限のサービスを長く使っていたから、JALはまさにホテル気分でした。お水もいただけて、ジュースも、コーヒーも、朝食もいただけて。さらに目の前に音楽も聴けるわテトリスもできるわ落語も聞けるわ映画も見れるわのスクリーンがあって。眠れず、ひたすらこのスクリーンと格闘していました。

 

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テトリスランキング1位になりました。そこまでヒマな人がいないのでしょうか機内には。

 

 

 映画を一本見ました。「ズートピア」です。本当に難しいテーマが、小さい子どもたちでも分かりやすいアニメで表現されていました。飛行機に乗る直前、私は突然気持ちの余裕がなくなり、他人を排他してしまうような気分になっていました。そんな自分に辟易していたところだったので、登場人物の気持ちにとても共感でき、ぼろぼろ感動していました。

 

 出発する当日まで、飛行機が深夜発だったこともあり特に荷造りはしていませんでした。最近仲良くしていただいている行きつけのラーメン屋の方に「1ヶ月お店来なかったら死んだと思ってください」と宣言して、昼下がり、やっと荷造りを始めました。でも持っていくものといえばタオルにズボンにシャツに靴、あと歯磨きなどの小物数点、日本で買ったコーヒーに関する本一冊くらいしかありませんでした。荷造り自体は1時間ほどで終わりました。あまりにもヒマすぎたし、その日の予定も特にないし、ひとりで悶々としているのも嫌だったので、巣子守くんと蒲田駅で会うことにしました。

 蒲田に向かう電車の中で、私ははじめて、「人口声帯」で話している方をお見かけしました。声を出せない方が発声するための装置です。その声は、機械のような声ですがきちんとなんとおっしゃっているのか聞き取ることができます。

 気分を悪くされる方もいらっしゃると思いますが、私はその声を「怖い」と感じました。テレビなどでその機械ごしの声を聞いたことがあって、ある程度知識はつけていたつもりだったんです。それでも。

 

 蒲田駅に着いてからも、巣子守くんと話しているときも、どこか落ち着かず、そんな自分を落ち着かせようとして必死でした。それでもどこか体の浮いた感じは拭えませんでした。いずれにせよこの気持ちは、このままにしておいてはいけないように思いました。

 

 「ズートピア」をご覧になった方はご理解いただけるかと思います。私はこの(自分でさえも辟易する目をそらしたい)「恐怖」の感情にきちんと向き合って、なんとか賢くそれを昇華させる努力をするつもりです。「恐怖」を抱くことは悪いことではないし、むしろ抑えこんでそんなものがまったくないフリをすることの方が違和感を感じます。その感情を利用して恐怖を消したり恐怖させる対象を消すことはできるけれど、それは自分がしたくないこと。だから少しずつでも賢くかみ砕いていこうと決めました。

 

 このとき巣子守くんと行ったサンマルクカフェで、アイスベトナムコーヒー(Ca phe sua da)を飲みました。これが、以降出てくるカフェレポートの味の基準になります。

 

 

 

 空港からバスでCAFE MAYに行き、みんなで最初のベトナムコーヒーを注文しました。(おそらく生徒全員)眠気と闘いながら、今後の予定とケータイの開通式をここで済ませました。

 

9/1 1回目 CAFE MAY

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 場所: Duong Nguyen Thi Minh Khai, Quan 1, TP/HCM

 中の様子: 壁はコンクリート、ややクリーム色。壁に白いコンクリートで歓迎する絵が描かれている。オシャレ。バリスタは1名、現地のお客さんが2名。お客さんのうち1名は日本語を勉強している。私たちが2時間半滞在しており、その間ずっと現地のお客さんはいらっしゃったので、結構長い滞在時間だと思った。メニューは英語。入り口は全面ガラス張りで、3枚ガラスが並んでおり真ん中の1枚を左右にスライドさせて開閉する。

 

 コーヒーのメニュー:

○Black Coffee HOT/ICE 24Kドン

 「ブラック」。ミルクなし。Ca phe sua。

○White Coffee HOT/ICE 28Kドン ←これを飲みました。

 コンデンスミルク入り。ミルクが入ってコーヒーが白くなるからWhite。Ca phe sua da。

・"Bac xiu" 29Kドン

 コンデンスミルク多め。

・Iced Brewed Coffee 30Kドン

 このコーヒーの、その他のコーヒーとの違いが分かりませんでした。

 

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White Coffee。

 

 White Coffeeの味: 蒲田で飲んだものと同じ。違いが分からなかった。口に残る甘さ。

 Black Coffeeの味: 何も入っていないのにほんのり甘い。キリッとした甘さ。焙煎のときにバターなどを用いているかも。

 音楽: ポップ。日本の西野カナ初音ミクの楽曲も流されていたが、少しリミックスされていた(元の音源は流せない?)

 その他気づいたこと: トイレの洗面台で使用されていた石けん「LifeBuoy」は使用後2時間経ってもまだその匂いが手に染みついていた。泡は泡立つがややぬるぬるしている。

 

 

 その後それぞれ解散し、自分の家へ木村、御園生先生にタクシーの乗り方を教わりつつ向かいました。私の家は正面の事務所が営業時間外で入れず、御園生先生とビルの周りを伝いながら裏口でスタッフの方と落ち合いました。

 お部屋はだいたい予想していた通りでした。予想外だったのは布団がとても心地いいこと。いいバネしてます。

 

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写真の左側の路地から入ります。

 

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このカギでかなり手こずりました。

 

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セミダブルくらいあるんでないか。

 

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3階のベランダにプチカフェ? 大家さんが見えず、よく分かりません。

 

 

 9時から11時までがっつり爆睡して、身支度をして11時半に家を出て次の集合場所に向かうためタクシーをつかまえました。

 タクシーの運転手はVINHさん。集合場所になっている両替所の地図を見せて発進。その地図の下の方に先生方が載せてくださっていた、「信頼できるタクシー」の写真を見て、「そうそう! こいつらだけだよ信頼できるのは! それ以外はタクシーじゃないね!」みたいなことをおっしゃっていました。

 街の情報もいろいろ聞き出せて、Ben Thanhマーケットやオバマが来たタイムズスクエアサイゴンの場所などをノリノリで教えてもらい、こちらも気をつけつつも暑さも助けてちょっと気分が高揚。そのすきをつかれてタクシー代をぼったくられました。

 メーターには45Kの文字。つい暑さと早く集合場所に行きたい気持ちが急いて、あり金(220K)をすべて見せておつりをもらおうとしてしまいました。とたんに全部取られて5000ドン札と2000ドン札を1枚ずつ渡されて笑顔でバイバーイ。500円くらい取られました。にっこにこ笑顔で即家に帰ってったんだろうな、VINHのやつ。

 

 降ろされたところも咄嗟にはどこか分からず、ぼられた悔しい気持ちを抑えに抑えて木村先生に連絡、すぐ側だったからよかったけれど、その悔しさは一日残っていました。(実は集合場所に行くまでの道のりで、バイタクじいさんに声かけられてました。木村先生にお電話おかけしたときはそのじいさんに「友だちから電話だ」と嘘ついてたときでした)

 

 このとき、バイタクやらタクシーやら、商売をしている現地の人全員に不信感が芽生えました。日本とは違うのだから、そのつもりでとは心がけていたつもりだったのに、また「つもり」で終わってしまった。「ちょっと怖すぎるんだけど…」「オレは彼らに巻かれたままなのか…」がぐるぐる回っていました。

 

 両替を済ませ、バスターミナルまで「バス路線の地図」を全員でもらいに行くことに。その道中、初めてスクーターと車の間をすり抜けて向こう岸まで行く、というホーチミンでは当たり前の道路の渡り方をしました。

 誰かから「道を横断するときは、車が来ても一定速度で歩くこと。途中で止まったりすることの方が危ない」と聞いていたので、その通りやろうとするのですが、クラクション鳴らされるわ轢かれそうで怖いわで止まる止まる。でも、一定速度で歩いている自分に車が迫っても、車の方が止まってくれるんですよね。それが「当たり前」のようで、周りの人にならって少しずつ自信をつけていきました。 

 

 

 

 

 無事バス路線の地図をゲットし、次のカフェへ。残念ながら御園生先生オススメのカフェが移転したりなんたりで見つけられず、ベトナムでスタバ以上の人気を誇るカフェチェーン「Trung Nguyen」に。

 

9/1 2回目 Trung Nguyen

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 場所: 219 Ly Tu Trong, HCM

 中の様子: 1階から4階まであり、1階は日本のカルディのように豆がディスプレイされており、Trung Nguyenがブレンドした豆が購入できるスペースだった。2〜4階は客席、ホテルのロビーのようなイス、机。交差点の角にあり、交差点側はガラス張り。自社製品を勧める広告ポスターが多数貼ってある。

 

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ふっかふかのイス。

 

 頼んだコーヒー: Ca phe sua da 45Kドン。豆の種類はSang Tao 1: Tu duy。選択できる豆の中では最も安く、100%ロブスタ種のピーベリー(丸豆)。缶コーヒーに含まれている糖分のような、やはり後に残る甘さ。しかしCAFE MAYのWhite Coffeeに比べて豆の苦みが一瞬初めに味わえる(しかし「苦い」といえるほどまでにはいかない)。 

 

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カップのような形をしたアルミのフィルター。この薄いフタを取ると中に落としぶたがあり、その落としぶたの重みで粉とお湯を押さえつけて抽出します。ところがカップの底のコーヒー液が通る穴は非常に細かいため、粉に直接お湯をかけて抽出する方法よりも作るのに時間がかかり、濃いコーヒーになります。

 

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アイスにする場合は一度ホットで作り、この冷たいグラスに一気に注いで冷やします。ミルク入りの場合はこのグラスの底にコンデンスミルクが入っており、スプーンで混ぜていただきます。

 

 

 一緒に出たお茶: 何茶か分からず。やや中くらいの味の塊を感じる。緑茶の渋みを5倍薄める感じ。コーヒーの甘ったるさが半分ほどに薄まる。

 

 その他気づいたこと:

・自社の最上級コーヒー豆「Ledendee」の広告ポスターが、ナポレオンを背景に「Ca phe cua danh nhan(「有名人のコーヒー」)」の文字。

・配られたコースターに書かれている文章が、「Nhung cuon sach doi doi, ben nhung tach ca phe doi doi.(「本は人生を変えてくれる、人生を変えるコーヒーカップ」)」。本とコーヒーを楽しめってことかな。

 

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Google翻訳してみたところ、「The book change your life, the life-changing coffee cup」だそう。

 

 

 ここで再度全体でミーティングをしました。ここで、初めてホーチミンに来て、気づいたことなどをひとりずつひとこと発表しました。私は今日体験したぼったくりの不信感から、「正直ホーチミン怖い」と言いました。あとのことばは自分で話しながら考えたことですが、「この怖さを克服する(おかしいと思ったときにきちんとおかしいと伝えること)ことができれば、あとは何をしても(車に止まってもらって道をまたいでも)いい、自由な街」と続けました。

 

 今回の研修では、研修テーマである「ホーチミンのカフェ文化とは何か」の調査と同時進行で、この「恐怖」に身をさらす努力をしようと思います。自分で危険を侵すようなことはもちろんしませんが、自分が体験したことのないものに身をさらす、目をそむけたり無視するのではなくて、もう少し賢いやり方で恐怖をぬぐい、強くなりたい。賢いやり方を見つける訓練としてもこの時間を使わせていただきたいと思います。

 

 

 という気持ちを胸に、ここまで書いて、午後6時、私は街に出ました。夕飯を外でいただこうと思ったからです。自分の宿泊先のあるヘム(路地)を出て(「犬放し飼いやないかすばしっこくてアゴ強そうやないか」「おっちゃんこんな時間にそんなでっかいスピーカーで何流しとんねんV-PopかV-Popなのか」)、宿泊先のブロックの周りを歩いてみました(「なんで歩道全部バイクで埋まっとんねんバイクの道歩かないかんやないか」)。

 とてもとても、夜のホーチミンで外食なんて無理だと思いました。まず見かけるお店といえば、

・家族や友人などと仲良く道端で鍋を囲んでいるみなさん(そしてたまにこちらを見る)

・真っ暗な中に低音が鳴り響く強面警備員に守られてるお店

・やってるのかやってないのか、お店の人と思わしき人がイスに座ってこちらを見ているお店

・理容店みたいな内装のお店に赤色のドレス着たグラマラスな女性のお店(目を合わせたら追いかけてきたので走って逃げました)

・同じくグラマラスな女性が今度は単独でメニュー表持ちながら私の歩みを止めて、過ぎ去ろうとするとメニュー表を顔に押しつけ「にゃ〜」と言ってくる道路

です。どうしても「こっち見ないでください」と思ってしまう…

 

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ほんっっっとに、こわい。

 

 無理! 意気地無しと言われようが外食無理! と思い、結局ファミリーマートへ。海外に来てまで(タイでもそうだったのに)また日本資本の店で買い物かあ、と悔しかったので、見た目なんだか分かんないフルーツに挑戦してみることにしました。あとはドリンク。ドリンクコーナーを見ると、なんとタイのカルピスがそのまんま輸入されてる。これ、日本のカルピスより好きなんです。甘さ控えめ、控えすぎずで。これと、やっぱり「ベトナム語で注文できる」という自信をつけたく、レジ横のフライヤーからウインナーを一本注文してみることに。

 

 レジに謎のフルーツとカルピスを持っていき、おもむろにウインナーを指さして「Cho toi cai nay!(これください!)」と叫びました。そこでレジの若いお兄さん、フライヤーの機械ごしに何か言っています。よく聴くと英語(たまに何語話してるのかもう分からなくなることがあります)。「1本7Kドンな!2本入れといてやるからな!」兄さんあざっす!! 思わず「ありがとう!」と言うと、隣のレジで買い物していたおじさんのお客さんが「ありがとうございますって笑」とこちらにツッコんでくる。どうやら日本人のようで、とっさに「お疲れさまです笑」とサークルのような挨拶を交わしてお父さん退場。こちらもレジを済ませて、「Cam on!(ありがとう!)」と言うと隣のレジ打ちやってたお姉さんが近づいてきて「ありがとぅ!」って言ってくる。変にテンションが上がってしまい(これがぼったくりにつながるんだよなあ…)、「日本語話せるの?」と聞くと「ちょっとだけよ〜、ちょっと、ちょっとちょっと!」と日本語ネタをぶっ込んでくるお姉さん。お兄さん、お姉さん、私とで大笑い。笑いすぎて頭働かなくなった私は自動ドアを出ながら「また来るわ!」とナニサマな捨て台詞を吐いて外に出る。と目の前をスクーターがブーン。クラクションパーッ! 一瞬で冷めました。

 

 

 

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左からソーセージ2本、謎のフルーツ、タイのカルピス、搭乗前に千頭さんからいただいたおつまみ。

 

 ちなみに家に帰って調べたのですが、この謎のフルーツ「Xoai」はマンゴーでした。見た目でマンゴーと判断できなかった自分に、謎のフルーツに挑戦だと息巻いていた自分が残念。

 

 引き続きブロック一周を続けていると、ふつうのレストラン街を発見。なんだ、最初からここに来ればよかったじゃないか…と少し後悔しながらその前を過ぎてヘムの前へ。ところが自分のヘムが見つからない。手前にあるお店すらも覚えていない。「本気で迷った本気で迷った」とつぶやきながら本気で迷い、グーグルマップと照らし合わせながら、あと10分で分からんかったらそこらへんの人に聞こうと決意しながら、ヘムを見つけて一安心。

 どうやら、最近夜に降るというスコールに備えて、いろんなものにビニールをかけた結果見た目がまるっきり変わってしまったみたいです。本当に同じヘムとは思えない。さっきまでドンドン鳴ってたスピーカーもスコールに備えてる。なんだか狐につままれたような気分でした。

 

 

 ビビり倒して汗だくだく、己のさらし首を見せられたような一日でした。まだ何頭も見ることになるんだろうな…。